綿の帝国 スヴェン・ベッカート著 モノで見る資本主義と暴力 - 日本経済新聞

本書を一言で評するならば「綿というモノの視点から描く資本主義全史」である。もちろん綿工業の歴史は産業革命の歴史そのものとして経済史学の古典的主題であり、逆にたとえば砂糖や木材など、モノに注目する世界史もこれまで数多くの名作が著されてきた。本書はそうした系譜に連なる佳作としても読める。だが本書がそう…